一匹狼と無邪気なワンコ

　――だけど遅すぎ。


　俺は相手を挑発しすぎたし、相手はもう戻れないと思う。



「なぁ、大滝も何か言えば……？　自分の事じゃないのか？」



　なんて横槍が入っても俺はそれを認めない。


「とにかく俺が大滝君の代わりに掃除する。これで文句ないよねー？」



　野中の悔しそうな顔を見れてスゲー気分がいい。


　今ならここから飛び降りて綺麗に着地できるぐらい、気分は晴れ晴れとしてる。