一匹狼と無邪気なワンコ


「うるせーのはお前だろ!?」



 急に大声を上げたせいで、周りが一瞬にして静かになった。


 俺はというと――右の人差し指を右耳に突っ込んで、‘うるせーんだよアピール’してみせる。


「何か事情があるからセンセも許してるんじゃないの? 違う?」


 
 なんて言い返そうか迷っている野中に対し、もう少しだけ挑発してみる。


「なんか……いちいち突っかかって小学生みたいだよね?」