「ギュッてしてほしい?」 「いらねーよ」 コイツと居ると調子狂うからあんま一緒に居たくないんだ。 他の女とは違う何かがあるから、やりづらいんだよ。 「あー、やっと着いた。早く降りろよ」 「急かさないでよ」 たった二駅だけど、やっぱり遠く感じる。 本当なら自転車ですぐの高校に通うハズだったんだ。 ――なのに親父に反対された。