「なんで見んの? 俺、大滝君にウザいとか思われちゃってる?」 おどけて見せても彼の表情は全く変わらない。 それどころか、皮肉なことまで言ってくれた。 「お前、ウサギみたい。一人じゃ何も出来ない奴」 「アハハッ!! 言ってくれるね!? そう、デリケートで人懐っこい生き物なんだよ――キミとは逆のね」 ほんの一瞬、彼は俺を睨みつけた。 ――いや、そう見えただけかもしれない。