一匹狼と無邪気なワンコ


「分かった。ついてく」


 彼が立ち上がった時、俺は思わず見上げてしまった。


 思っていた以上に大滝君の背は高かったんだ。


 ――いや、背が高かったからって理由だけじゃない。


 彼自身のオーラが俺を押しつぶそうとしていたから。


「時間もそこまで無いし、昇降口の階段の前でいいよね?」


「……分かった」