「おーたっきくん♪」 「……誰だ?」 俺の方を見て、狼は不機嫌そうに問いかける。 「ん~、幼馴染ってヤツ。千佳、一個下の頑固女」 「初めまして。頑固じゃないけど千佳です。いっつも陸がお世話になってます」 千佳は急いで俺の手を離し礼儀正しく頭を下げるが、狼は興味無さそうにその様子を見下ろしている。 久しぶりに見るその威圧的な目に、俺は興奮を抑えるのに精一杯だった。