「ん~、美里ちゃんだっけ? いいよ千佳持ってきなよ」 「アタシはモノじゃないって!!」 「――いえ、でもいいんです! あ、これ小野寺先輩にあげます」 そう言ってリス女は、いかにもマイナーなスナック菓子を俺に押し付けてきた。 「ありがと~!」 「いえ! それじゃ失礼します」 軽く頭を下げた時にパサリと肩から落ちる髪を見ながら俺は笑顔で手を振る。