2008年4月、私は桜木中学に入学した。





入学して1週間たち部活動オリエンテーションが済んだ頃、クラスは部活動の話で持ちきり状態だった。





『ねえ、ゆりは何に入るの?』



「ウチは、音楽部だよ」




『”音楽部”って歌ったりするの?』



「ううん!名前が違うだけで、吹奏楽なんだって」



『吹奏楽ねえ……ゆうかさんには向いてないわ』





休み時間、ボーッとしている私に話しかけてきた
自分のことを”ゆうかさん”と呼ぶこの子は、入学して初めて出来た友達。




かなりユニーク&天然で有名な子。






「あはは!あ、ゆうかは何処の部に入るの?」


『ゆうかさんは、美術部だよー』





ゆうかは、かなり絵が上手く
少年漫画系の絵がプロ並みだった。








―放課後




初めて音楽部の部室を覗く。




人数が少ないらしく6人しかいなかった。





「みつな先入ってよー」


『は!?あたしだって入りにくいわ!』




『あら?もしかして入部希望者?』



一緒に見学に来たみつなや他の同級のこと
ドアの所でギャーギャー言っていると、女の人の声がし、
みんな声がする方に振り向いた。






「あ……音楽の先生…」




音楽部の顧問なのか、片手に楽譜を持っていた。






『そんな所で見ずに中に入ってみてよ』




顧問の先生の言うがままに
全員中へ入った。