いつものように奏を迎えに行く。

「たくさん見えるかな??」
はしゃいでいる奏を見ながら、俺は笑みがこぼれる。

「見れるといいね」


暗いところを選んで、車を止める。

同じ考えのカップルもいるみたいで、車が何台か止まっている。

シートを倒して窓から星をさがす。
「どっちが多く見つけられるか競争ね!!!」

君はそんなことを言いながら、必死に見ようとしていたね。

俺らは、いつも暗闇にいたから、星なんて見ること忘れていたのかもしれない。
見つけようとすると、意外に見えないものなんだ。

同じ空を見て、同じ星を眺めて、俺は同じ空の下にいることを再確認した。

いつでも変わらない空を見上げていられることが、幸せだと思った。



俺らの暗い空にも星が照らしてくれるんだって、思ったんだよ。



俺の8月はこうやって終わっていく。
それと共に、奏との遠距離は始まる・・・




奏?君と離れていても、同じ空の下にいるんだよ。
同じ星の下にいるんだよ。
だから、俺らは離れていたって大丈夫。


つらくなったら、空を見上げればいいんだよ。