わたしは、温人との思い出が いっぱい詰まった部屋を出た。 こんな風になるなんてほんの 少し前まで思ってもなかった。 あの部屋で、温人と新しい家庭 を築いていくものだって信じて た。 ほんの少し前の事なのに、もう ずっと昔の事のような気がする よ。 わたしは、亮君に支えられるま まに、甘えて、すがって。 今亮君のそばに。 亮君と一緒に暮らしている。 今のわたしを温人が見たらきっと 呆れはてるだろうね。