「もしもし、温人!!」 「ごめん。真幸。俺の事は 忘れてほしい。 探さないで ほしいんだ。」 「何言ってるの?どこにいるの?」 「好きな女が出来たんだ。 そいつと生きていきたいんだ。 だから、俺の事は恨んでくれ。 そして忘れてほしい。」 「ふざけないで。 ちゃんと会って話そう。 別れたいんならそれでもいいから。 だから、お願い。 顔を見せてよ。顔を見て言ってよ!! ねぇ温人。おねがいだから。」 そんなわたしの叫びは、届かなかった。 無言のまま温人は電話を切った。