「はじめまして。 
吉村温人といいます。」


この最悪な状態で口を開いたのは
腕の中にわたしを抱きしめたままの
温人だった。


 「先生、吉村君。
とりあえず ねっ。
 真幸も病室もどりましょう。」



 「・・・・。」



温人の腕から解放される瞬間。



下を向いたままお母さんの顔
なんて見れない。