家に帰ったわたしは、まるで
日記のように書きつづられた
その手紙を読み続けた。


何通にもなるその手紙には
わたしへの謝罪の言葉で溢れ
ていた。

勝手に姿を消した事。
嘘をついたこと。
そして一緒に生きていけなく
なったこと。


温人が一番つらいはずなのに
一番悔しいはずなのに。

それでも、その手紙からは
憎しみとか恨み事とかそんな
気持ちは全然伝わってこ
なかった。

伝わってきたのは、わたしの
事を心配する優しい温人そのも
のだった。

そして、毎回最後はこう書かれて
いた。


亮と幸せになれ。