朝目が覚めると、となりに
寝ているのが温人じゃないこと
を確認してしまう。

温人がわたしの前から姿を消して
1か月以上がたった。

もう温人は新しい誰かとわたしの
知らない街で新しい生活を送って
いるのかもしれない。

もし本当にそうでも今の私、
温人の事責める事できない。

お義母さんは、温人のことは
忘れて幸せになってほしいって
言っていた。

でもね。
そんな簡単に割り切れなくて。

わたしは、ずるい女だから。

亮君の優しさに甘えながら
亮君の想いを知っていながら
未だに温人のことをどこかで
想っているわたしがいる。

そんなわたしを丸ごと
受け止めてくれる亮君。

でもきっと、亮君も後悔している。

親友の彼女だった女を引き受けた
ことに。