「はい。」

リグルは長の話に食い入る。

「もちろん、得体も知れん奴に弟子入りされても困るんで、その時は断ったんだが、奴は食い下がった。それから師弟の関係になったんじゃ。」

「父さんは、どうして長のもとに?」

「さあな、奴は言わなかったよ。ただ、自分の錬金術で人に喜びを与えたい。そう、常に言っていたよ。」

「そうですか。」

「そんな奴が<ネグロシオン>に捕われ、錬金しているとは到底考えられん。<ネグロシオン>からすれば、役立たずは排除したいはず。」

「じゃあ父さんは…」

リグルの胸に不安が過ぎる。

「最悪の場合、殺されているかもな。」