「<ネグロシオン>だよ。」

その言葉に眉をひそめる。

「<ネグロシオン>…ですか…?」

「そうじゃ。最近、天が唸るのを耳にしたという者が増えている。もしかしたら、奴らがなにか企んでおるのかもしれん。もし、奴らがこの街を襲おうとしたら…」

そう言うと長は俯き動かなくなった。

「大丈夫ですよ。この街には長がいるじゃないですか。」

にこりと笑いかけ、長を励ます。

「…、そうじゃな。確かに、私がこの街を守らねばならんな。それで、リグルはお父さんの事を聞きに来たんだろ?」

「はい。」

ごくりと唾を飲み、長の口から発される言葉を待つ。

「私はお父さん、ティオの師なんだよ。」

「そうなんですか?」

「あぁ、私がまだ若い頃にティオは私の仕事場に押し入り弟子入りしたいと言って来た。」