やっとリグルから解放されたアルスは、息を整え朝食にありついた。

『まぁね…。でも…三年も旅してた…ら、つい…話したく…なって…さぁ。』

食べながら話すアルスを叱り、そんなに楽しそうか?とカーラに尋ねる。

「えぇ、とても。私にはない経験…というか、憧れました。」

カーラも少し興奮しているようで、手を組み目を輝かせていた。

「私も、リグルのように旅、してみたいです。」

「無理だな。」

シチューを口を運びながら、素っ気なく答える。

『リグル酷いよ。冒険したくて、家飛び出して来たんだぜ?別に旅の仲間が一人増えたくらいで…』

「アルス。」

手を止め、アルスを冷たい目で見つめる。

「この旅は遊びじゃないんだ。」

「わかってます。さっきアルス君から聞きました。だからこそ、私もリグルのお父様を、助けたいって思ったんです!」

「わかったようなことを言うな。カーラ、お前のようなお嬢様に、旅は無理さ。」

再び食事を食べはじめたリグルを、カーラとアルスはただ見るしかなかった。