「大変だな。」

「この仕事は好きですから。辛くても頑張れます。それで、今日はどうなさいますか?」

あぁ。とリグルは思い出したように、頼まれたメニューを言った。

「わかりました。少々お待ち下さい。」

「頼む。」

ちらっとアルス達の座るテーブルを見ると、どうやら盛り上がっているようだった。

アルスは身振り手振りしながら、少し興奮しながら話し、それをカーラが楽しそうに聞いていた。

「お待たせ致しました。」

カチャンと食器を乗せたトレイが音を立て、朝食が出来たことを知らせた。

「ありがとう。」

二枚のトレイを上手く持ち、リグルは二人のもとへ行った。

『そう、そうなんだ!その時リグルが、奴に何て言ったと思う?』

「何て言ったんだ?」

『あのね、リグルは……あっ!リグル!!』

トレイを二人の前に置き、自分の食器を取りながら、椅子に座る。

「あら、リグル。」

「やけに楽しそうに、話してたみたいじゃねーか。」

アルスの首を腕で絞め、拳をぐりぐりとやる。

『リグル、痛いよ。』

「今までの冒険紀行を聞いていたんですよ。とても楽しそうでした。」

「そうか?と言うより、まだ旅始まったばかりだせ?」