「おい。お前ら誰だ。」
後ろから男の子の声が聞こえた。
男の子といってもその声は低くて、ハスキーで、男を感じさせるような強い声。
私は一瞬身震いをした。
「あ!」
果穂がいきなり声をあげた。
私はすでにその男のほうに振り向いていた果穂を横目でみた。
「泉じゃん。」
「相川?お前こんなとこでなにやってんだよ。」
果穂はたんたんとその男の名を呼びあげるとその男=泉さん?も果穂のことを知ってたようだ。相川、と呼んで近づいてきた。
「その女なに?お前のダチ?」
「そ。私の心友の、のん。ほら、前向きなよのん。」
「う、うん。」
私は恐る恐る前を向いた。
か、か、か、…
前を向いた私は…
言葉が出なかった。
男の子ってこんなにカッコいいんだ…

