412ページの思い




「おい。お前ら誰だ。」


後ろから男の子の声が聞こえた。


男の子といってもその声は低くて、ハスキーで、男を感じさせるような強い声。



私は一瞬身震いをした。



「あ!」


果穂がいきなり声をあげた。


私はすでにその男のほうに振り向いていた果穂を横目でみた。


「泉じゃん。」


「相川?お前こんなとこでなにやってんだよ。」


果穂はたんたんとその男の名を呼びあげるとその男=泉さん?も果穂のことを知ってたようだ。相川、と呼んで近づいてきた。


「その女なに?お前のダチ?」


「そ。私の心友の、のん。ほら、前向きなよのん。」


「う、うん。」


私は恐る恐る前を向いた。


か、か、か、…


前を向いた私は…


言葉が出なかった。


男の子ってこんなにカッコいいんだ…