「失礼だけど仕事は?」
妙に落ち着いているし、手の縄も解けかけていた。

「警察庁1課の戸倉凪だ。27歳、よろしく。」

俺より2つも下なのか。
警察庁、どおりで落ち着いているはずだ。

「俺は秘書官の織田真也。29歳だ。こちらこそよろしく。敬語とか要らないから。」


こんなところで自己紹介なんてな。

だけどこんなことでもしていなければ気が狂いそうになる。

「ちょっと背中向けてくれない?」

そう言うと解けかけの凪の縄を解いた。

「これで君の足の縄も解けるはずだよ。」

「サンキュ。」
凪は自分の足枷を解き、俺の手枷、足枷も解いた。

そのあとは全員の手枷、足枷を解き他のみんなを起こす。