《真也side》

ふと目が覚めてうっすらと瞼を開く。

見覚えのないコンクリートで剥き出しになった部屋。

確か俺は榊大臣を送ったあと優奈の家に行って…

そのはずなのに

俺は猿轡こそされていなかったものの手足を縛られていた。


なんとなく嫌な予感がして隣を見ると、俺と同じように手足を縛られた4人の男が転がっていた。

その中で一際冷静かつ鋭い眼差しでこの現場を観察している男がいた。

視線は俺達の向かい側?


見るとそこには


「優奈!!」

優奈が気を失ったまま
俺達と同じ格好で倒れていた。


「大丈夫だ。気を失っているだけだから。多分まだ起きてない奴らも俺達もクロロフィルムでも吸わされたんじゃないかな」