「潤、」と楓が呼び掛けた。

前嶋は、
静かにゆっくりと頷く。



室内の空気が異常なほど
冷たく、鋭く光る。


それぞれ手に持つのは


睡眠薬、麻酔薬、銃、刃物。それに油性マーカーと目隠し2つ。


医者である前嶋が切る場所にマーカーを引く。


目隠しは真船に被せるためのものと、女性陣(特に凛)に配慮して被せるためのものだ。


睡眠薬は手っ取り早いクロロフィルを布に染み込ませて使用することにした。


麻酔薬は局所的に使用することにした。


これは前嶋、井坂が考えたことであり皆従った。


戸倉が先頭を切ってマジックミラーの奥の部屋へと繋がるドアノブに手をかけた。


カチャリ、と音を立てて扉が開かれる。


その音はまさに
各々に対する天罰の合図のようにも聞こえた。