結局、家には帰らず藍の家に泊まったあたし。


藍の家にあたしの私物が増えてきた。


しかもかなり過ごしやすい環境なんですよね、これがまた。




藍に学校まで送ってもらった所までは良かった。


うん、送ってもらった所までは、ね?


コイツ(藍)がとんでもないことを言ったのだ。


「お礼になんか欲しいなー」


………お礼って…。


「藍が「オレ"迎え"は自分から言ったけど"送る"とは一言も言ってないけど?」


考えてるな…。


てかお礼って何がいいんだ?


そんなあたしの考えを汲み取ったのか"こっちこっち"と手招きしている藍。


近づけばバイクに座ったままあたしを抱きしめた。


あたしは背が低いけど藍は高いから座っていても頭が胸の辺りにくる。


あたしを抱きしめてほお擦りをしている様は笥箕を連想させた。




「あ゙ー!! オレだけの特権!!」


横からそんな叫び声が聞こえた。


そちらに向けば思っていた本人がいるではないか。


てか笥箕、叫んでるけど今、授業中ってことを忘れてません?


まぁ忘れてるからここにいるんだろうけどさ。





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