あのあと藍の家に行った。


琳が慌ただしくしながらも玄関のドアを開けてくれたのは恒例になりつつあるから言うまでもないだろう。


しかしそんな琳も気にせずにイラついてるあたしに


「…何があったんだよ?」


と聞いてくれた。


KYなところもあるけど琳は人の感情に鋭いから何かあるたびに来ている。


もちろん今日もそのつもりで藍の家に来たのだ。




今日のことを話し終えると琳は難しそうな顔をした。


「胡蝶総長が転校してきたのか。 これまた厄介な上にWhite roseの総長の萌架を胡蝶の"姫"にしようとしてんのか………」


息を吐きながら『こんなにも面倒なことは他にねぇな』と琳が言った。


さすがに学校での問題だから解決策が見つからない。


「あ、藍に送り迎「ダメ」


藍は変装せずに狼龍と会ってるんだからWhite roseの副総長が"萌架"を送り迎えなんかしたらまた色々問いただされる。


「…なるべく楓といるようにする、とかは?」


琳の言葉を聞いてそれだ!!と思った。


「琳、さすが!! ありがと」




この琳の助言が正体バレに近づくなんて思いもしなかった。





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