あれから3時間。


いまだに拓真が起きる気配は一切ない。


てかさー…もう少ししたら昼休みなんですけど…。


チラッと拓真を見れば気持ち良さそうに寝ている拓真。


寝相がいいのか木から落ちていない。


まぁ寝相が悪かったらこんなとこで寝たりしないか。




「…くまー?」


………くま?


下から聞こえてきた声にハテナマークが浮かぶ。


「拓真ー?」


あぁ!! なるほど!!


最初の"た"が聞こえなかったからくまに聞こえたのか!!


…にしても聞き覚えのある声。


ソッと葉を掻き分けて誰がいるのか見れば狼龍の幹部に総長、副総長がいるではないか。


わざわざこんなにも大勢で拓真を探しに来たのかよ………。


拓真を起こすのも可哀相だしな。




結果。


あたしが伝えることに。


ヒョイと木から飛び降りて着地すれば呆然としている皆さん。


………ここに意識あるのかな?


まぁいいや。


「拓真なら木の上で寝てるよ」


と伝えれば大声で叫んでくれた皆さん。


うわ…五月蝿い…。


しかもハモんないでよ………。





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