「「………」」


そしてだんまりになるあたし達。


「あ、拓真は胡蝶の総長が転校してくることは…?」


疑問に思ったことを聞けば首を縦に振って肯定を表した。


拓真は元々無口だから沈黙になっても居心地悪くない。


そう思って拓真に視線を向ければ眠そうにしているではないか。


「………眠いの?」


小さな声で聞けば目を擦りながら頷いている。


その姿は猫を連想させた。


頭を撫でてやれば気持ち良さそうに寝息をたてだした拓真。




よく木の上なんかで寝れるよな。


そう、皆さんお忘れかもしれませんがここは木の上です。


こんなとこでも寝れる拓真を尊敬しちゃうよ…。


柔らかい髪を撫でながらそんなことを思う。


そういえば拓真の髪を触るのって二回目だな。


小さく笑いながらそんなことを考えた。




一方、クラスでは───…


「胡蝶総長、何が目的だ?」


ピリピリした雰囲気の中、姜希が聞いていた。


「狼龍の姫。 あの感じだとまだOKもらえてない感じだけど?」


そう答えたのだった………。


萌架はそんなことを知るはずもない。





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