向かった先は保健室。


ガラッと勢いよくドアを開ければ楓と数名の男子生徒が振り返った。


「「……………」」


妙な沈黙が続く。


あたし…保健室っていう選択、間違えたな。


何事もなかったかのように保健室のドアを閉めて裏庭に向かった。




特別棟の裏庭はこじんまりとしていて静かで過ごしやすい。


前、狼龍がら逃れる時に見つけたサボりに最適な場所。


にしてもなー………。


「まさか胡蝶の総長が転校してくるなんて…」


「何考えてんだろうな」


「そうそう、全くだよ…って、え!? あたし誰と喋ってる!?」


独り言のはずが誰かと共感してたみたいだ。


この無口な感じ…


「拓真か!!」


まぁ誰かは分かったんだけど…どこだろ?


キョロキョロ見回してみるもののいないから…木の上かな。


そうと決まれば!!


身近な木に上れば…やっぱり。


「あ、バレた」


驚かずに言う拓真は最初っからバレることに気づいてたんじゃないのか?って思う。


「姜希と萩斗がいるのに拓真はいないと思ってたらこんなとこにいたんだ?」


すると頷いた拓真。





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