時間は経ち、放課後───…


保健室を訪れた。


「楓ー? ちょっ…」


言葉は楓に抱きしめられたことによって続けられなかった。


「もえちゃんから会いにきてくれるなんて感激ー!!!!!!」


ぅ゙…苦しいほどの圧迫………。


「か…えで…。 ギブ………」


意識を手放す寸前でようやく離してくれた。


ヤバい…気のせいでなければ三途の川が見えた気が………。




「ちょっとの間、鍵かけてもらうことって出来る?」


ようやく意識がハッキリ戻ってきたところで保健室に訪れた本来の目的を聞いた。


「ん? もえちゃんの為ならどんなことでも♪」


………まぁいいや。


スルーの方向でいきましょう。


「んじゃちょっとの間、施錠よろしく」


カチッ


鍵が閉まる小さな音がした。


「…藍? 今日みんな集めといてくれる?」


『あ…萌架? 了解』


それだけの短い会話をして電話を切った。


こんな短い会話だけなら保健室使うなって思うだろうけど正体を隠す為には楓がきた保健室が1番なんだよね。


だから保健室を利用したって訳。





.