苛立ちを抑えながらあるヤツへと電話をかけた。


『あ…萌架? 急にどうした?』


周りがやけに騒がしいから…学校か。


「今日泊まらせて」


『は!? ちょっ「…ツー…ツー…」


藍が言おうとしている言葉を切って遮った。


あたしが向かってる先は藍の通っている学校。


結構近いところにあるんだよね。




門の前まで来たのはいいんだけど…さすが不良高。


スプレーの落書きはあちこちにあるし窓は割れてるし…どこからか喧嘩してる声は聞こえるし。


終わって結構経っているのか人はまばらだ。


門のところに寄り掛かって待っていれば周りに集まってきた男達。


………何の用?


「めちゃくちゃ可愛いね。 何、誰か待ってんの?」


「てか待たせてる男より俺らと遊びに行かねぇ?」


そんなことを飽きずにずっと言ってくる男達。


携帯を取り出し電話をかける。


「後5分で来なきゃキレるから」


それだけを言って電話を切った。


相手はもちろん、藍。


今頃、めちゃくちゃ慌ててるだろうなー。


周りの男達はキョトンとしている。





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