学校に着いたあたしはHRなんて気にせず、煉弥がいる屋上に走って向かった。


バンッ


勢いよく屋上のドアを開ければこちらに集まる視線。


って集まる…?


ふと顔を上げれば幹部もいるではないか。


面倒なのもいるが気にしないようにしよう…。




「おい、あたしが狼龍の"姫"っていうのはどういうこと?」


煉弥の胸倉を掴みながらそう言った。


それに慌てる周り。


だが今のあたしには関係ない。


「その話、どこから聞いたの?」


動揺した感じで聞いてくる充。


「…噂になってる」


充の問い掛けに答えたのはあたしでなく、拓真だった。


「ゲッ…マジ?」


といかにも都合悪そうに言うのは煉弥。


「どういうことか説明してもらおうか?」


笑顔でそうは言ったものの目は笑えていないあたし。


「えっと…萌架が転校してきた時に俺らが抱き着いたりしてて、狼龍の姫ってことに」


つまりは…


「全部狼龍のせい、か」


畜生、朝の優雅?に登校するはずだった時間を返しやがれ!!




朝のあの行動が放課後に響くなんて想像もしていない萌架でした。





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