「はぁ!? 忘れ物したから持って来い!? ふざけ…『そこをなんとか!! よろしく!! ガチャ…ツー…ツー…』


兄貴に電話で起こされた上に忘れ物を届けてほしいと言われ機嫌が最高に悪いあたしの名前は紗瞳 萌架(すずとう ほうか)。


高校一年生である。


今は平日で10時だから普通なら学校に行っている時間だがあたしは転校の為休みだ。


明後日から学校。


最悪なことに兄貴と同じという悪夢のセットだ。




ブツブツ文句を言いながらもちゃんと兄貴の忘れ物を届けに来ているあたしは優しいと思う。


門の前で立ち止まった。


見るからに族関係といった感じの身なりのヤツが二人いるではないか。


しかも頭はカラフル。


可愛い系イケメンはピンクの髪に赤茶のメッシュ。


カッコイイ系イケメンは銀髪に赤のメッシュ。


組み合わせのせいもあるが目立つったらありゃしない。




あぁ…そういえばこの学校は全国でも有名な不良校だったな………。


こんなところに明後日から通わなきゃいけないと思うと頭痛と目眩がしてきそうだ。


はぁ…と小さくため息をついて学校敷地内へと入った。





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