そうしたらその子は廃ビルに入って行ったんだ。


さすがに女の子一人は危険なんじゃないかと思いついていったが…着いたのは廃ビルの屋上。


寂(さび)れている屋上のハズなのにその時のオレにはやけに輝いて見えたんだ。


それだけオレの心が荒れてた証拠なのかもな。


だけど追いかけてきたハズの女の子の姿がなくてキョロキョロしてたら不意に聞こえてきたんだ。


『アンタも…荒れてるんだ?』って。


上から、な。


見上げると追いかけてきたハズの少女が寂しげに笑いながらオレを見下ろしていて…少女と同じ位地に立ってみたくなって隣に行った。


さらに上の場所は空がとてつもなく広く見えて…なんだか自分がちっぽけに感じた。


『悩んだり、辛くなったりした時は屋上に来なよ。 自分が小さく感じるから』


その少女は笑顔でそう言って屋上から飛び降りたんだ。


もちろん、よく屋上から飛び降りてたのか降りた後、普通に歩いてたけどな。


それから何かあったら毎回屋上の1番高いとこに行くようになったんだ。




──────────
─────………





.