「てかやっぱ屋上は冷えるな」


元々お前自身がここにいたんだろってツッコミたくなったが心の中のみに留めておいた。


「だね。 てかどこにいたの?」


疑問に思ったことを聞けば「あそこ」といって屋上の中でも1番高いとこを指差していた。


あー…なるほどね。


あそこならさらに階段登らなきゃ人がいるか確認できないしね。


しかしなんであんなところにいたんだ?




「思い出の場所、なんだ」


いきなりそんなことを言い出した充。


首だけ後ろに捻るように向けると充が座って膝の上に向かい合わせになるように座らされた。


「ちょっと長くなるけど…?」


その言葉に頷くと教えてくれた。




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中学の頃、荒れていた。


親も、先生も、友達すらも嫌に感じていた時、一人の少女を見かけた。


その子は凛としていて…同い年くらいの子のハズなのにやけに大人びて見えたんだ。


その雰囲気に惹かれてか…なぜかその子の後をついて行った。


まぁ今考えればストーカーみたいだけどな?





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