目の前にはドア。


階段を上りきって目の前にドアと言ったら一つしかないだろう。


そう、屋上。


ゆっくりとドアノブを回してみるが開かない。


そういえば煉弥、屋上の鍵は自分しか持ってないからオレがいるとき以外入れないって言ってたな。


あたしは徐にブレザーのポッケに手を突っ込みヘアピンを取り出した。


カチャカチャ…と音はするものの開く気配はない。


仕方ない…こうなったら最終手段だ。




バンッ


鈍い音と共に開いた─いや、壊れた─屋上のドア。


恨むんなら鍵をつけた人を恨んでくださいな。


そう心の中で呟き屋上のフェンスにもたれ掛かった。


青い空に白い雲。




目線を下にやると屋上の床…とその上に置かれた白い封筒の束。


ここに来た目的はこの手紙の内容を誰にも邪魔されず読むため、とここをそれなりに気に入ったからだ。


ピッと一つの封筒を破ると段々近づいてくるような声。


まさか…ここに来たり………


「あ? 煉弥サン、屋上のドア開いてるってか壊れてますけど…?」


するー!!


しかも兄貴かよ!!


かなり面倒。





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