「ねぇ、楓。 あたし知恵熱っぽいの治ったかも」
笑顔でそう言えば
「はぁ? ちょっとおでこ………本当だ」
と言われおでこに手をつけられ熱を測られた。
まぁ、さっきの会話から分かるように熱は引いたみたい。
いやー、よかったよかった。
あの状態が続いてたらかなりキツいよ…。
なんて頭の片隅で思った。
「………あ」
熱が治ったのですっかり忘れてたけど。
「あたしをここまで運んできてくれたのって誰?」
まだ疑問が残ってたんだよね。
「あぁ…萌ちゃんの愛しの彼氏。 あとその場に一緒にいた兄貴・煉弥」
あー…そういえば充と煉弥の前で倒れたんだっけ?
すっかり忘れてたよ。
迷惑…というか心配かけたよな。
あとでちゃんと礼言っとかなきゃだな。
「…今何時?」
保健室、電気で明るいし窓はカーテンを引いてあるしあたしの位置からは時計が見れないんだよね。
「………夜の8時」
へぇー…夜の8時………ねぇ。
そっか、夜の8時かぁ…。
って"夜の"8時!?
え、嘘じゃないですよね!?
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