目が覚めた時見えたのは真っ白な天井。


次に鼻をつんざくような消毒液の匂い。


この場所がどこなのか理解するのにさほど時間はかからなかった。


ベッドに手をついて起き上がろうとすれば頭に激痛が走り、阻まれた。


「…っつー」


あまりの痛さに声を出すとベッドの回りに引いてあったカーテンが音をたてて開いた。




「大丈夫なの?」


そこにはいつものふざけた感じがない楓。


ぉお…仕事となるとこうも人は変わるのか、とか失礼なことを思ったのは秘密だ。


「んー、頭に激痛が走るくらいかな? あとは特にない」


ていうか何故こうなったのかを説明してほしい。


しかもこの激痛はなんなのさ?


その疑問が顔に出ていたのか楓が答えてくれた。


「あんたねー…知恵熱みたいなものよ」


知恵熱っすか?


「知恵熱って…乳児にみられる原因不明の発熱?」


念のために聞いてみた。


「さすが萌ちゃん、辞書にでてきそうな説明ね。 当たってる」


あー、やっぱり当たってましたか…。


てか知恵熱みたいなのが出るなんて…あたしの頭大丈夫か?なんて思った。





.