とりあえず…裏庭、屋上、保健室と萌架がいそうな場所を見て回ったが萌架はいなかった。


畜生…一体どこにいるんだよ?


押さえきれない苛立ちは募るばかりでオレはどこにもぶつけられずにいた。




髪をクシャクシャと掻いてうずくまった時、ふと小さい頃を思い出した。


そういえば…萌架、小さい頃は一人になりたがると誰も行きそうにない場所に行ってたよな?


昔と変わってないなら…そういう場所にいるはずだ。


断定できる根拠も何もなかったがオレはこの学校で数少ない誰も近寄らない場所へと向かっていた。




特別棟なんか…生徒はおろか、先生さえ中々近寄らない。


ま、授業があるとき以外は別としてだけど。


そんな特別棟でももう使われていなく、絶対に誰も近寄らない教室が一つだけある。


その教室とは…看護実習室。


元男子校なのにある、意味不明な教室だ。


オレの勘が正しければ…必ずここに萌架がいる。


そんな自意識過剰とも思えるようなことを思いながら看護実習室のドアへと手をかけた。


さて…結果は?





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