………嫌な予感。


いまだにポカンとしている先輩と言い争いをしている二人をチラッと見てドアへと注目する。


どうかあたしの予感が外れていますように…。




ガラッ


あたしって神様に嫌われてんのかな?


深いため息をついて頭を抱え込んだ…と同時に強い圧迫。


周りの空気が一辺に変わったのが分かった。


そりゃそーだ。


県No.1と言われている族の総長が今日転校してきたばっかりの女に抱き着いてるんだから。




「………離れろ」


鬱陶しいって意味を込めてそう言うと渋々だが離してくれた。


あたしに話し掛けてきた先輩が


「煉弥サンの彼女、ですか?」


と言った。


おいおい…冗談もほどほどにしてほしい。


「んぁ? 義理兄弟」


今日もサラっと言った兄貴。


まぁ別に知られて嫌って訳じゃないからいいんだけど。




それからチャイムが鳴ったので各教室に帰っていった皆様。


はぁ…この休み時間だけで一日分くらいの体力を使ったよ…。




そして今日で見せ物になり、有名になったのは言うまでもない。





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