まさかー…あたしの幻聴だよ♪


なんて勝手に納得して一人頷いていると………


「へぇ? 萌架は無視するんだ? じゃ今までの小さい頃の恥ずかしいこととか話そうか♪」


なんて悪魔の声が。




いるわけないと思いながら振り向くと…いるじゃないですか。


「ちょっ…授業は?」
(気にするとこ、そこなの!? by.きょぉ&充)


これを聞いたら盛大なため息をつかれちゃいましたよ。


なんか悲しいや………。




「萌架?」


一人、物思いに耽(ふけ)っていると名前を呼ばれた。


「…ほぉかちゃん?」


優しい声色で、昔のようにあたしの名前を呼んだ充。


「…みつ君?」


我に返り、昔の呼び名で呼べば…


「当たり。 もう二度と何も言わずオレの前から姿を消すなよ…」


って言われた。


充は…気づいてたんだね。


でもね?


昔…つけた傷はあたしがどう謝ろうと消えはしない。


その上、さらに傷つけたあたしに充の側にいる資格はない。


何も言わず姿を消すな…か。


その言葉は嬉しいけど、あたしには許されない言葉だよ。





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