一方、イギリスで過ごしている萌架は───…




夢を見た。


幼い頃の夢。


みつ君と遊んでいた時の…。




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「ほぉかちゃん、早くおいで?」


そう、遊んでいた時のこと。


みつ君がとびっきりの笑顔で手招きをしているものだから走ってみつ君のところに行こうとしていたあたし。


だけど一歩を踏み出した瞬間…


ズシャ


派手な音と共にこけたのだ。


理由は簡単。


左右にある木に結ばれていた縄跳び。


偶然こうなるわけもないので…


「みつ君ー………」


みつ君が仕掛けた罠にまんまとハマったのだ。


小さい頃は泣き虫だったあたしはすぐに泣いてしまった。


その時のみつ君の笑顔は───…別れる前日、充が見せた笑顔とまったく同じ笑顔だった………。


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ガバッ


勢いよく飛び起きた。


今さっきの夢は………幼い頃にあった本当のこと。


だとしたら…みつ君は充?


信じたくなかったけど…あの見たことのある笑顔なら納得だ。





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