ある日、夢を見た。


それは幼い頃の夢だった…。




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「あたしねー、大っきくなったらみつ君のお嫁さんになるー!!」


「僕もー!! 大っきくなったら、ほぉかちゃんをお嫁さんにする」

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小さい頃のちっぽけな約束。


親に捨てられる前、住んでいたところにいたお隣りで幼なじみの男の子との会話。


あの時はみつ君が全てだった。


そしてその頃には離れてしまうなんてまったく予想もしていなかった。


無邪気だったあたしとみつ君。




あの頃の夢、約束を思い出すなんて…。


顔を小さく歪めた。


みつ君…今頃どうしてるのかな?


みつ君の本名を忘れたあたしにはそう思う他、なかった。


あの頃に…何も知らなかった時…純粋だった頃に…戻りたい。


今のあたしに、人を好きになる資格なんてある?


答えは…ない。


今まで何人もの人生を変えてきている。


みつ君もその一人だ。


別れる前日、あんなことを言わなければみつ君、あなたは今でも笑っていれましたか───…?





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