「…翔ちゃん」 「…強盗だな」 陳列棚越しから精算カウンターを覗き見すると、そこには包丁を店員に突き付けてる男の姿があった。 初めて目の当たりにする強盗現場に恐怖心だけが募り翔ちゃんへと視線を向けた。 翔ちゃんは私とは違い相変わらずどっしりとしたまま小さい声で私に答えて男をじっと見つめてる。 「早く金を出せっ!!早くしろっ!!」 店員はレジを開くと、男の用意した鞄へとお金を詰め込んで行く。