そう言えばママもパパとのデートの時大変だったって言ってたっけ…。 きっと、今みたいにこんな感じだったんだね。 「翔ちゃん、お待たせ」 私は満面の笑みを浮かべて二人の間へ入った。 女の人は驚いた顔をするも、すぐに視線を翔ちゃんへと向けて微笑む。 「これ、私の連絡先だから気が向いたら電話くれると嬉しいわ。じゃあね」 女の人は、小さな紙切れを無理矢理翔ちゃんの手へ渡し去って行った。