濡れた体温ごと奪って-Ⅱ-



「過去に色々して来た俺が悪い。自業自得だ。紗耶は気にする事ねぇよ」


「…っ…翔ちゃんっ…」


「簡単に信用してもらえるなんざ、思ってねぇからな」




翔ちゃん、どうしてこんな私の事呆れたりしないの?


どうしてこんなに優しいんだろう。




「最近まともに家にいなかったしな。やぼ様があってな」




翔ちゃんは信号待ちで、キーケースを取り出し私に差し出す。


…鍵?