濡れた体温ごと奪って-Ⅱ-



「ねぇ翔ちゃん、抱っこ」


「クスクス。こうか?」




翔ちゃんは軽々しく私の体をひょいと抱き上げてくれた。




「うん。今日ね、翔ちゃんと会った後偶然パパと会ってね本部へ連れてって貰ったの」


「そうだったのか」


「うん。翔ちゃん達の仕事、ちゃんと見て来たよ」


「…怖かったか?」


「怖くないって言ったら嘘になるけど、でも私感動もしたんだ」




犯人達を全員確保した時に出た拍手が、今も鮮明に覚えてる。