濡れた体温ごと奪って-Ⅱ-



「腹は大丈夫か?」


「うん。大丈夫だよ。たまに痛むけど、全然平気だよ」


「…そうか。あの時…守ってやれなくて、悪かった。ごめんな」


「どうして翔ちゃんが謝るの?翔ちゃんは沢山の人を救ったんだよ?それに私の事も救ってくれた。なのにどうして謝るの?」


「…いや……もっと俺がしっかりしてれば…お前が傷つかずに済んだ…」


「翔ちゃん、それは違うよ。どの道私は撃たれてたと思うもん」




にっこり笑って俺を見つめる紗耶。


たまらなく…愛おしい。