『翔ちゃん…翔ちゃん…』 ん?この声は紗耶か? 何度も俺の名を呼ぶ紗耶。 まさか夢にまで出て来たのか? それも、無くした記憶の呼び方で呼んでる。 うっすら瞳を開くと、目の前で、それもドアップで俺を見つめる紗耶。 「翔ちゃん。もうお昼前だよ。ねぇ、式場決まったから見て欲しいの」 「……紗耶?」 「うん?どうしたの?」 不思議そうに首を傾げる紗耶。 まさか…お前…。