濡れた体温ごと奪って-Ⅱ-



「紗耶。言いたい事あるなら溜め込んでねぇで全部言え」


「……っ…翔矢さっ……こんな毎日…つらくないの?…どうしてっ…私にこんな…っ…」


「…つらくなんかねぇよ。まあ、翔矢さんって呼び方気になる時あるが、お前の事を愛してるからつらい事なんかない」


「…うぅ……だけどっ…いつ記憶が戻るかわからないんだよっ?!戻らないかもしれないのにっ…ヒクッ…私なんて…捨てちゃえばいいのにっ!!」




涙が溢れて止まらない。


どうして…こんなに涙が出るんだろう…。


この涙は…どこから来てるんだろう…。