リビングのソファーに座らされ、翔矢さんは私の前でしゃがんで視線を合わせてくれる。 「…出て行こうとしたのか」 「…だって…私…何も思い出せないし…何も出来ないし…」 「…まだ一ヶ月も経ってねぇのに、焦る必要ないって言っただろ」 わかってる。 わかってるけど…こんなの…とてもつらくて…。 このままじゃ、お互いの為にならいんじゃないかって思って…。