濡れた体温ごと奪って-Ⅱ-



次の日の朝。


紗耶のベッドの周りを、医者や看護師がバタバタと歩き回ってる。


まさか…紗耶…。




「もう、意識が戻りそうなので中へどうぞ」


「…紗耶」




看護師に呼ばれ中へ入ると、俺は紗耶の頬に触れ名前を呼んだ。


紗耶…温かい…。


生きてる証に思わず涙しそうになった。




「……ん…っ……」


「紗耶…大丈夫か?紗耶」




紗耶はゆっくり目を覚まし、痛みに襲われてるのか顔を歪ませ苦しそうにしている。


…痛いよな。


…できる事ならば…変わってやりてぇ。